自然災害と災害共済給(スポ振・安全会・スポーツ保険)
平成30年6月18日、大阪北部を震源とした地震がありました。
多くの方が被災をされました。また、尊い命が失われてしまうこともありました。
避難生活をされている方におかれましては苦労も多いかと思います。
はやくいつもどおりの暮らしが戻ってくることを祈っております。
今回、大阪北部地震においては学校のブロック塀が倒れて小学4年生の少女の命が失われました。
非常に痛ましい事件であったと思います。遺族の方には心よりお悔やみ申し上げます。
このように自然災害によって怪我をしたり、場合によっては亡くなってしまうことがあります。
東日本大震災でも津波によって多くの児童生徒の命が失われました。
災害共済給付ではこのような自然災害も給付の対象となるのでしょうか。
独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令第3条第第5項には次のように規定がされています。
5 センターは、非常災害(風水害、震災、事変その他の非常災害であって、当該非常災害が発生した地域の多数の住民が被害を受けたものをいう。)による児童生徒等の災害については、災害共済給付を行わない。
自然災害全てについて給付の対象とはしないというルールではありません。非常災害(風水害、震災、事変その他の非常災害であって、当該非常災害が発生した地域の多数の住民が被害を受けたものをいう。)の場合には給付を行わないと規定されています。
東日本大震災はこの非常災害にあたるものでした。ですから原則として災害共済給付は行うことができません。しかし、災害共済給付の制度の趣旨等を鑑みて特別に東日本大震災特別弔慰金という制度が新設され、死亡見舞金ほどの金額ではないにせよ、お見舞金が支給されました。
今回の大阪北部地震が通常の給付の対象となるのか、非常災害の扱いとなるのかはまだ決まっていないところではないかと思います。
ただ、非常災害に指定されるということは、それこそ東日本大震災と同様の規模の被害者が生じた場合ではないかと考えます。
「当該非常災害が発生した地域の多数の住民が被害を受けたもの」とは相当ハードルが高い規定ではないかと思います。
もし今回の震災でお怪我等をされたお子さんがいらっしゃる場合、それが通学中であったり既に登校後であった場合には災害共済給付の手続きを踏んでもよいではないかと私は思います。
最終的に給付の可否を決めるのは災害共済給付の実施主体である独立行政法人日本スポーツ振興センターですが、請求行為自体をすることは何も妨げられるものではないと考えます。
早く平和な日常が取り戻せますようお祈り申し上げます。