災害共済給付について私が知っていることを皆さんと共有したい

高額療養費とは1

2018/07/22
 
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本サイトは、災害共済給付制度の理解を深めることを目的としています。災害共済給付とは、一般的には「学校の保険」「スポーツ保険」「スポ振」「安全会」などと呼ばれることが多いのですが、正確には「災害共済給付制度」といいます。学校(「保育園」「幼稚園」「認定こども園」などを含みます。以下同じ。)の設置者、学校の先生、学校の先生を目指す方、学校にお子様を通わせている保護者の方、様々な方がご覧になることを想定しています。ただ一点だけ御注意いただきたいことがあります。それは、本サイトが給付の可否を断定するものではないということです。本サイトの情報をもとに請求の手続きを進めていただけたらと願いますが、最終的な給付の可否については日本スポーツ振興センターの審査結果によります。給付ができないようなことももちろんあると思いますが、きちんと手続きを踏めば適正な給付を受けることができるものを1件でも多く救いたいと思います。

災害共済給付制度ではなく、健康保険の制度として高額療養費制度というものがあります。
本来これは災害共済給付の制度ではなく健康保険の制度ですので、それに合わせて災害共済給付金を調整していくような形となります。
今回は災害共済給付制度のお話というよりも健康保険の制度における高額療養費制度についてのお話となります。

では高額療養費制度とはどんな制度なのでしょうか。

給付される医療費の額】のページで説明したように通常医療費の自己負担額は総額の3割です。
給付される医療費の額のページで例を出して説明したのは、総医療費は10,000円のとき、自己負担額は3,000円、災害共済給付からの給付金は4,000円というお話でしたね。

しかし、これがもし総医療費が10,000円ではなく、1,000,000円だったらどうでしょうか。
3割といってもその額は300,000円になります。
それもけがというのは何の予告もなく、いきなり起きるものですからお金の用意がありません。
「そんな高額になることがあるの??」
「そんなこと滅多にないのでは?」
とお考えになるかもしれませんがこのくらいの金額は結構あります。
入院・手術をすれば簡単に発生すると考えてもいいくらいの金額です。
学校の管理下の災害でも骨折や前十字靱帯損傷などで重症の場合はこのくらいの金額になります。

さて、そこで健康保険では高額療養費制度という制度を設けました。
私が理解している範囲で申し訳ないのですが、簡単に説明をすると、通常窓口負担は一律3割ですが、
高額な医療費が発生した場合には、負担する世帯の所得状況に応じて自己負担限度額を設けましょうという制度です。
収入が少なく、非課税世帯の方などは自己負担する限度額を低く設定してあります。
逆に収入が多く、余裕がありそうな世帯の場合には自己負担限度額は高めに設定されております。
H30年現在においては、世帯の所得状況に応じて自己負担限度額の区分は5つに分けられています。
まず大きく分けて課税者と非課税者。そして課税者のなかでも所得によってア~エに分けることができます。

◆課税者(以下の4つに分かれます。)
課税者ア
課税者イ
課税者ウ
課税者エ

◆非課税者

ここまでよろしいでしょうか。
それぞれの所得状況に応じて自己負担限度額が設定されているのでしたね。
それぞれの限度額を見て行きましょう。

◆課税者
課税者ア 252,600円+(医療費-842,000円)×1%
課税者イ 167,400円+(医療費-558,000円)×1%
課税者ウ  80,100円+(医療費-267,000円)×1%
課税者エ 57,600円
◆非課税者 35,400円

さあ、なんだか面倒くさい計算式が出てきました。ここでいう医療費とは窓口負担ではなく総額10割の医療費のことですからね。
課税者エと非課税者はずばり金額が出ていますからこの金額が自己負担限度額というのが分かりやすいですよね。
たとえば非課税者の世帯の方がお怪我をして病院に入院をして手術などをした場合、健康保険の範囲内の医療費が100万円だろうが200万円だろうが実質の負担は3割の30万円や60万円ではなく35,400円でいいよという制度なんです。
これはとてもありがたい制度ですよね。
健康保険、入っていて良かったとしみじみ感じる制度です。
ただし、気をつけていただきたいのはこれは健康保険の範囲内のお話であるということです。
病院に入院すると健康保険の適用外の料金が発生することがあります。たとえば差額ベッド代などがあり、それがなかなか高額になることがあります。
高額療養費制度はあくまで健康保険の範囲内の医療費が対象ですので、健康保険外の差額ベッド代などは対象外です。
「高額療養費制度があるからぜいたくな個室に入っちゃおう♪」というわけにはいかないのです。
この点は十分に御注意くださいね。

さて、上記にて非課税と課税者エは簡単に分かるけれど、後はなんだか分かりにくいと申し上げましたが、注目していただきたいところがあります。それは、面倒くさい計算式の最後には全て1%が掛けられていることです。
◆課税者
課税者ア 252,600円+(医療費-842,000円)×1%
課税者イ 167,400円+(医療費-558,000円)×1%
課税者ウ  80,100円+(医療費-267,000円)×1%

なんだ、めんどくさい計算をしても最後にそれを1/100にしてしまうのかということになります。要するに厳密な計算を必要とせず、ざっくりとした金額をお知りになりたい程度であれば、赤字部分はちょっと見ない方が分かりやすいのではないないでしょうかというご提案です。
すると課税者アの方の自己負担限度額は、ざっくり252,600円+α、課税者イの方の自己負担限度額は167,400円+α、課税者ウの方の自己負担限度額は80,100円+αということになります。
改めて整理するとそれぞれの自己負担限度額は・・・

◆課税者
課税者ア  252,600円+α
課税者イ  167,400円+α
課税者ウ  80,100円+α
課税者エ  57,600円
◆非課税者 35,400円

ということになりますね。
収入が大きい課税者アの方の自己負担限度額は25万円以上、収入が少ない非課税者の自己負担限度額は3万5,400円ということになります。
これって結構な差ですよね。
個人的には、
「収入が大きい=お金持ち、余裕があるから多く出してもらう」「収入が少ない=余裕がないから手厚い福祉が必要」という考えには若干違和感を覚えます。
その場その時の収入の多寡ではなく、資産状況などを見て自己負担限度額を判断してもいいのかなと思いますね。
親が資産家で不動産等をたくさんお持ちであるから働く必要がなく非課税であるような状態の方に手厚い保護が必要でしょうか。
一日の大半を仕事に費やして働いて、まさに身を粉にして働いたとしてもその収入の大半を税金として収めなくてはならない労働者が裕福で余裕があるから自己負担限度額を高くしていいのでしょうか。
それこそそういった人が入院や手術をすることになれば収入減に直結することでしょう。
個人的にはぜひ見直していただきたい点ではありますが、現状はこのようになっておりますのでご案内をしておきます。
高額療養費と災害共済給付制度との関連についてはまた別のページにてご案内いたします。

なお、高額療養費制度についての独立行政法人日本スポーツ振興センターの案内ページ(公式)はこちらです。

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