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災害共済給付における高額療養の取扱い

2018/07/22
 
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本サイトは、災害共済給付制度の理解を深めることを目的としています。災害共済給付とは、一般的には「学校の保険」「スポーツ保険」「スポ振」「安全会」などと呼ばれることが多いのですが、正確には「災害共済給付制度」といいます。学校(「保育園」「幼稚園」「認定こども園」などを含みます。以下同じ。)の設置者、学校の先生、学校の先生を目指す方、学校にお子様を通わせている保護者の方、様々な方がご覧になることを想定しています。ただ一点だけ御注意いただきたいことがあります。それは、本サイトが給付の可否を断定するものではないということです。本サイトの情報をもとに請求の手続きを進めていただけたらと願いますが、最終的な給付の可否については日本スポーツ振興センターの審査結果によります。給付ができないようなことももちろんあると思いますが、きちんと手続きを踏めば適正な給付を受けることができるものを1件でも多く救いたいと思います。

通常災害共済給付制度(学校の保険/スポ振/スポーツ保険)において医療費の給付は、健康保険適用の療養費総額の3割に療養に伴って要する費用として1割を上乗せして4割の給付がされると説明(給付される医療費の額)しました。
しかし、高額療養に該当する場合は、計算式が異なります。
自己負担限度額に療養に伴って要する費用として1割を上乗せして給付額が決められるのです。
給付される医療費の額では、総医療費が10,000円のケースで説明をしましたね。
もしこれが総医療費が150万円(15万点)だった場合、どうなるのでしょうか。
11万円の装具も作ったとしましょうか。
具体例をもって説明してみましょう。

災害の発生状況
A君がバスケットボール部の部活中に急に方向転換をしようとしたところ左膝に急な痛みが走った。
傷病名
左膝前十時靱帯損傷
治療の経過
入院して靱帯の再建術を行うとともにボルトで固定した。膝が不安定になってしまったので硬性装具で固定した。

入院に係る医療点数 15万点
装具代       11万円

A君のご家庭では社会保険に加入しており、課税者ウに該当します。

課税者ウの自己負担限度額はいくらだったでしょうか。
高額療養費制度とは1にあるとおり

80,100円+(医療費-267,000円)×1%
が課税者ウの自己負担限度額です。
今回は医療点数が15万点ですが、1点あたり10円ですので医療費は150万円です。
それに装具代が11万円です。装具代が7万円を超えていますから高額療養の計算に装具代を加算して161万円が今回の高額療養費に該当する医療費となります。
ここまで大丈夫でしょうか。
合算するかどうかの判断は高額療養費制度とは2を参照くださいね。

161万円を計算式に代入すると自己負担限度額を求めることができます。
80,100円+(1610,000円-267,000円)×1%
=80,100円+(1343,000円)×1%
=80,100円+13,430円
93,530円
A君の今回の療養の自己負担限度額は93,530円であることがわかります。総医療費は161万円でしたからなんと150万円以上の金額を健康保険が負担してくれたことになりますね。
それに対して災害共済給付制度ではいくらの給付になるのでしょうか。
計算式としては自己負担限度額+総医療費の1割の給付でしたよね。
総医療費が161万円ですからその1割というと16万1千円になります。
93,530円+161,000円
=254,530円
これが給付金の額となります。
もちろん独立行政法人日本スポーツ振興センターの審査が通ればという条件がつきますが。

なんと実際に自己負担した額が93,530円であるにも関わらず、給付される額は25万円を超えました。
オマケでついてくる「療養に伴って要する費用」が16万円を超えたからです。これ、決してバカにできない額になると思いませんか。
「たった1割、たいしたことない」
なんて思っていたらとんでもない。総医療費の1割とはこういうことなのです。
今回のケースでは自己負担した額の倍以上の給付を受けることができました。
療養に伴って要する費用として給付されるものですから入院に関する諸経費や付き添いの方の交通費などに当てていただくためのものです。怪我をされたお子様のためにぜひ有効活用いただければと思います。

災害共済給付制度とはこのように大きな怪我、手術や入院を伴うような事態にこそ非常に有用なものです。自己負担限度額は世帯の所得状況によって異なりますが、災害共済給付を受けることによってどの世帯であっても自己負担限度額+総医療費の1割の給付を受けることができます。
災害共済給付制度に加入していなければ、A君の世帯では254,530円の給付を受けることはできません。自身の自己負担限度額である93,530円は自己負担せざるを得ないでしょう。
国の補助があり、学校の設置者も掛金を負担しているからこそこのように手厚い給付を受けることができるのです。
ぜひお子様のためにご活用されることを願っています。

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高額療養費とは2

高額療養費とは3

高額療養費とは4

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